早起きする方法:朝が苦手でも続けられる6つのステップとコツ

早起きは、意志の強さよりも段取りの問題です。体内時計に逆らうのではなく、味方につけるための現実的なプランを紹介します。

朝日が昇るころ、Tikoがベランダへの戸を開けて、静かな日本の住宅街を見渡している様子

6時のアラームを本気でセットしたのに、「起きた」のは7時40分。止めた記憶はまったくない。そんな経験があるなら、この記事はまさにそのためのものです。

早起きは、生まれつき得意か苦手かが決まっている性格ではありません。大部分は段取りの問題です。体がいつ起きるつもりでいるか、実際にどれだけ眠れているか、そしてベッドにとどまるのがどれだけ簡単になっているか。どれも変えられますが、一晩では変わりません。ここでは、その両方をふまえた早起きする方法を紹介します。

早起きがつらいのはなぜ?

私たちの体は、体内時計がつくる約24時間のリズム(概日リズム)で動いていて、眠くなる時間と目がさえる時間もこのリズムが決めています。多くの人の体内時計の周期は24時間ぴったりではなく、平均すると24時間10分前後と、少しだけ長いことがわかっています。そのため、毎日時刻合わせをしないと、寝る時刻と起きる時刻が少しずつ後ろにずれていきます(e-ヘルスネット)。周期には個人差があり、周期が長い人ほど夜型の傾向が強いとされています。

体内時計がまだ「夜」だと思っている時間にアラームが鳴ると、体は生物学的な夜の真っただ中に起こされることになります。起きた直後の頭がぼんやりして重い状態は睡眠慣性と呼ばれ、研究では、体内時計のリズムが最も低い時間帯の近くで目覚めたときにいちばん強くなると報告されています(Hilditch & McHill, 2019(英語))。

だから目指すのは、気合いで朝5時に体を引きはがすことではありません。体内時計を少しずつ前にずらして、6時(または目標の時刻)が真夜中のように感じられなくなるようにすることです。

ステップ1:起きる時刻を毎日そろえる

地味ですが、いちばん効くのがこのステップです。平日に本当に起きる必要がある時刻を決めて、土曜と日曜も同じ時刻に起きましょう。

休日の「寝だめ」はごほうびのように感じますが、平日の睡眠不足は休日にまとめて取り戻せるものではありません。休日に起きる時刻が大きく遅れると体内時計が混乱し、海外旅行のときのような時差ぼけ(社会的時差ボケ)が起こるとされています。休日に長く眠らないといられないなら、平日の睡眠が足りていないサインです(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。月曜の朝がつらいのも、このずれが大きな理由のひとつです。

休日もまったく同じ時刻は厳しいと感じるなら、ずれは1時間程度までにしておきましょう。朝寝坊のごほうびではなく、被害を最小限にするための工夫と考えてください。

ステップ2:15分ずつ早めていく

いま8時に起きていて、6時に起きたいとしても、いきなり2時間早めるのはおすすめしません。3〜4日ごとに、アラームを15分ずつ早めていきましょう。数週間かかりますが、一歩一歩が小さいので体がついてこられます。

朝の光は体内時計を早める方向に働きますが、実際の生活では、室内の照明や夜のスマホ、たまの夜ふかしが逆方向に引っぱります。大きく一度に変えるより、小さな変化を続けるほうがずっと続けやすく、1週間ずっとへとへと、ということにもなりません。

8時起きから6時起きへ、4週間で移行する例です。

週 アラーム 消灯
1週目 7:45、その後7:30 23:45、その後23:30
2週目 7:15、その後7:00 23:15、その後23:00
3週目 6:45、その後6:30 22:45、その後22:30
4週目 6:15、その後6:00 22:15、その後22:00

ステップ3:寝る時刻を逆算する(前日の夜にできること)

早く起きるには、早く眠ることもセットです。厚生労働省のガイドでは、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することがすすめられていて、おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられています(厚生労働省)。米国睡眠医学会と米国睡眠学会は、成人に7時間以上の睡眠を推奨しています(AASM(英語))。布団に入ってすぐ眠れる人はいないので、寝つくまでの時間も少し見込んでおきましょう。

6時に起きたいなら、22時から22時半ごろの消灯を目指すのがひとつの目安です。

朝スッキリ起きるために、前日の夜にできることもあります。

  • 寝る前は照明を暗めに。夕方から夜に浴びる光は、体内時計を遅らせる方向に働きます。照明を落とす、暖色系のライトを使う、画面の明るさを下げるといった工夫がすすめられています(e-ヘルスネット)
  • 寝る直前のスマホは控えめに。スマホやタブレットの画面からも光が出ています
  • カフェインは早めに切り上げる。コーヒーや緑茶のカフェインには覚醒作用があり、敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよいとされています(e-ヘルスネット)
  • 寝酒はしない。アルコールは一時的に寝つきをよくしても、深い眠りを減らし、夜中に目が覚めやすくなります(e-ヘルスネット)
  • お風呂は寝る1〜2時間前に。この時間帯の入浴が寝つきにもっとも効果的とされています(e-ヘルスネット)

ただし、無理に眠ろうとしないことも大切です。布団の中で長いあいだ目がさえているなら、いったん起きて、暗めの明かりで静かに過ごし、眠くなってから布団に戻りましょう。

ステップ4:朝の光を浴びる

体内時計の時刻合わせにいちばん大事なのは光です。朝に浴びた光は体内時計を早め(朝型にし)、夜の光は遅らせます。朝起きづらい人は、起きてから午前中にたくさん光を浴びるように心がけましょう(e-ヘルスネット)。

  • 起きたらまずカーテンを開ける
  • 朝食やコーヒーは窓ぎわでとる
  • できれば10〜15分ほど外に出る。くもりの日でも、屋外の光は室内の照明よりずっと明るいものです

ただ、効果は現実的に考えておきましょう。朝の光は、日々の積み重ねで体内時計を整えるものです。つらい朝を一瞬で解決するわけではありません。研究のレビューでは、起きてすぐ光を浴びると目が覚めた感じは強くなっても、頭の働きがすぐに上がるわけではなかったと報告されています(Hilditch & McHill, 2019(英語))。

冬の朝に起きられないのはなぜ?

秋から冬にかけて、朝がいっそうつらくなる人は多いはずです。厚生労働省のガイドによると、睡眠時間は季節によっても変わり、冬は夏に比べて10〜40分ほど長くなることが示されています。主な原因は、日の出から日の入りまでの時間が短くなることだと考えられています(厚生労働省)。

冬の朝は、次のような工夫で乗り切りましょう。

  • いつもより少し早めに布団に入る。冬に眠りが長くなるのは自然なことなので、睡眠時間を削って起きるよりも、寝る時刻を前にずらすほうが現実的です
  • 明るくなったら光を浴びる。起きる時刻にまだ暗くても、通勤・通学の時間や午前中にできるだけ外の光を浴びましょう
  • 寒さ対策をしておく。エアコンのタイマーで、起きる少し前に部屋を暖めておくと、布団から出るハードルが下がります
  • 着る服を枕元から離れた場所にまとめておく。取りに行くために立ち上がるきっかけになります

ステップ5:起きることを「自動」にする(二度寝防止)

早起きに失敗する朝の多くは、アラームそのものではなく、鳴ったあとの30秒で失敗しています。半分寝ている頭が、布団に戻る言い訳を探し始める時間です。この交渉の余地をなくしましょう。

  • スマホや目覚ましを部屋の反対側に置く。止めるには起き上がるしかありません
  • 最初の1分でやることを決めておく。コップ1杯の水、カーテン、洗顔。何でもいいので、前もって決めておきます
  • 頭を使わないと止まらないアラームにする。計算問題を解く、別の部屋のQRコードを読み取るといった起床ミッションなら、アラームが止まるころにはしっかり目が覚めています
  • スヌーズは回数を決めるか、やめる。5分おきに10回鳴るアラームは、全部を聞き流すことを覚えさせるだけです

眠りが深くて目覚ましにすら気づかないなら、起きれない人のための目覚ましで選び方を紹介しています。起床ミッションがどんなものかは、ホームページで試すこともできます。

ステップ6:朝に目的をつくる

「早く起きる」だけでは目標があいまいで、あいまいな目標は暖かい布団に負けてしまいます。早起きして何をするのか、前日の夜に決めておきましょう。ランニング、コーヒーを飲みながらの読書、30分だけの勉強や趣味。必要なものも用意しておきます。

起きてからの最初の10分は、楽で気持ちのいいものにしてください。いきなり仕事のメールを開くと、脳はすぐに「早起きは罰だ」と覚えてしまいます。

社会人・受験生の早起きのコツ

社会人は、労働時間が長くなるほど睡眠時間が短くなりやすいことがわかっています(厚生労働省)。早起きの時間をつくりたいなら、まず夜の時間を見直すのが近道です。夜のスマホやテレビをだらだら続けてしまうなら、寝る時刻にアラームをセットして「寝る準備を始める合図」にするのもひとつの方法です。

受験生は、つい睡眠を削りたくなります。でも厚生労働省のガイドでは、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することがすすめられていて、睡眠には記憶(学習)を定着・強化させる働きもあるとされています(厚生労働省)。思春期は夜ふかし・朝寝坊になりやすい時期なので、朝の勉強時間をつくりたいなら、寝る時刻を早めることとセットで考えましょう。スマホなどのデジタル機器は寝室に持ち込まないことも、同じガイドで推奨されています。

遅く寝た翌朝はどうする?(遅寝早起き)

遅くまで起きていた日は、誰にでもあります。そんなときに早起きの習慣を守るルールはひとつ。それでも、いつもの時刻に起きることです。

2〜3時間寝坊すると体内時計が遅れ、次の夜はさらに寝つきにくくなります。いつもの時刻に起きて光を浴び、午後に眠くなったら短い昼寝をとりましょう。昼寝は15分程度で十分とされています(e-ヘルスネット)。その夜は、少し早めに布団に入ります。

朝5時起きは目指すべき?

21時から22時ごろに眠れるなら、悪くありません。でも6時間未満の睡眠で5時に起きるのは、規律ではなく睡眠不足です。厚生労働省のガイドでは、睡眠時間が6時間未満になると死亡リスクが高まるという報告も紹介されていて(厚生労働省)、米国睡眠医学会などの声明でも、睡眠が7時間未満の状態が続くことは、体重増加、高血圧、心臓病、うつなどと関連するとされています(AASM(英語))。

5時という時刻に特別な力はありません。いちばんいい起床時刻は、十分に眠ったうえで毎日続けられる、いちばん早い時刻です。

早起きが習慣になるまでどのくらいかかる?

週末も時刻をそろえられれば、1〜2時間早めるのに2〜4週間がひとつの目安です。最初の1週間がいちばんつらく、3週目に入るころには、アラームより数分早く目が覚めるようになる人も多くいます。体内時計が本当に動いたサインです。

1か月続けても、しっかり眠っているのに毎朝ぐったりしているなら、医療機関に相談してみてください。そもそも目覚ましが聞こえない、気づかないという悩みなら、朝起きれない・目覚ましが聞こえない原因と対策も参考にしてください。アラーム自体が鳴っているか不安なら、iPhoneのアラームが鳴らないときの対処法で設定を確認できます。

よくある質問

早起きのコツは何ですか?

起きる時刻を休日も含めて毎日そろえること、目標の時刻へは15分ずつ近づけること、起きる時刻から逆算して寝る時刻を決めること、起きたらすぐ光を浴びることです。目覚ましをベッドから離して置き、朝やることを前日に決めておくと、さらに続けやすくなります。

朝スッキリ起きる方法はありますか?前日にできることは?

前日の夜は照明を暗めにし、寝る直前のスマホを控え、カフェインは早めに切り上げ、お風呂は寝る1〜2時間前に済ませましょう。朝は起きたらカーテンを開けて光を浴びます。それでも起きた直後に15〜30分ほどぼんやりするのは、睡眠慣性と呼ばれるふつうの反応です。

二度寝を防止する方法は?

目覚ましを部屋の反対側に置いて、止めるには起き上がるしかない状態にしましょう。計算問題やQRコードの読み取りなど、頭や体を使わないと止まらない起床ミッションのあるアラームも効果的です。スヌーズは回数を決めるか、オフにします。

社会人が早起きを習慣化するには?

まず夜の時間を見直して、寝る時刻を早めることから始めましょう。平日と休日で起きる時刻を大きく変えず、アラームを3〜4日ごとに15分ずつ早めます。2〜4週間ほど続けると、体内時計が新しい時刻に慣れてくることが多いです。

休日に寝だめしてもいいですか?

平日の睡眠不足は、休日にまとめて取り戻せるものではありません。休日に起きる時刻が大きく遅れると体内時計が乱れ、月曜の朝がつらくなります。ずれは1時間程度までにして、休日に長く眠りたくなるなら平日の睡眠時間を見直しましょう。

冬になると早起きがつらいのはなぜですか?

厚生労働省のガイドによると、冬は夏に比べて睡眠時間が10〜40分ほど長くなり、日の出から日の入りまでの時間が短くなることが主な原因と考えられています。冬は少し早めに布団に入り、明るくなったらできるだけ外の光を浴びるようにしましょう。

参考情報

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
  2. e-ヘルスネット(厚生労働省)「快眠と生活習慣」
  3. e-ヘルスネット(厚生労働省)「概日リズム睡眠・覚醒障害」
  4. Watson et al. (2015). Recommended amount of sleep for a healthy adult. 米国睡眠医学会・米国睡眠学会の合同声明(英語)
  5. Hilditch & McHill (2019). Sleep inertia: current insights. Nature and Science of Sleep(英語)

この記事は情報提供を目的としたもので、医療専門家のアドバイスに代わるものではありません。